オーストラリアのフリンダース大学が主導する研究チームは8月20日、サンフィリッポ症候群を対象とした薬剤スクリーニングの研究をネイチャー・コミュニケーションズに発表した。これは記憶、行動、身体能力を徐々に奪う遺伝性の小児認知症で、広く使える治療法はない。チームは患児由来の脳細胞を培養した。以前の研究で、これらの細胞は発達の早い段階で異常に興奮しやすくなり、過剰な活動状態から抜け出せなくなることが示されていた。そのうえで、オーストラリア医薬品行政局が既に承認している63種類の薬をこの細胞に試し、イメージングと機械学習を用いて、どの化合物が病んだ細胞を健康な状態へ押し戻すかを採点した。九つの薬が2週間以内に細胞機能を有意に改善した。細胞の損傷を減らしたものもあれば、学習や行動に関わるシグナル伝達を回復させたものもあり、組み合わせは単剤よりも効果が高かった。ザリーナ・グリーンバーグ氏らによる論文「Drug screen and machine learning predict neuroprotective agents in a preclinical human model of childhood dementia」は、これが実験室モデルであることを明示している。九つのいずれについても、患者における小児認知症への安全性や有効性は示されていない。