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教育とAI 2026-08-12

白い文字でばかげた指示を仕込んだ。40人がその指示の生んだ答案を提出した。

白い文字でばかげた指示を仕込んだ。40人がその指示の生んだ答案を提出した。

ブラウン大学の経済学教授ロベルト・セラーノは8月10日のNature誌で、厚生経済学と社会的選択理論の講義の中間試験で広範なAI利用の痕跡を見つけた経緯を書いた。この科目を教えて二十年近くになるが、試験を持ち帰り形式にしたのは初めてだった。年の初めに学内で起きた銃撃事件のあと、教室に戻ることをためらう学生がいたためである。彼は論述問題のなかに、白い文字でばかげた指示を埋め込んだ。ページ上では見えないが、学生が設問をコピーしてチャットボットに貼り付ければ一緒に運ばれ、ボットはその指示に従ってしまう。返ってきた成績の平均は96点。過去の年の平均は60点台から80点台で、今回は40人が満点だった。Nature誌でのセラーノの主張は、検出ソフトは答えではなく、大学は求めるものそのものを変えねばならない、というものだ。完成した文書を集める評価ではなく、学生が考える過程を見る評価である。

なぜ重要か白文字の罠は良い話だが、使えるのは一度きりで、しかもコピー&ペーストしか捕まえられない。効いてくる数字は平均点のほうだ。あるクラスが一夜にして厚生経済学に習熟することはありえない。十八年間安全だった持ち帰り形式が、たった一学期で安全でなくなった。教師が向き合っている本当の変化はこれであり、規律の問題ではなく評価の問題である。今年答案を採点する人は誰もが、著者を確定できない文書に点をつけている。動きの速い教育機関は検出をあきらめ、課題そのものを組み直しつつある。口頭試問、監督下での執筆、そして成果物ではなく過程への採点だ。

✓ 検証済み · 3ソース

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