MIT の計算科学工学センターに所属する機械工学の大学院生カイ・チャンとテミス・サプシス教授が、歴史的記録のどこにも現れない極端気象シナリオを生成する手法を発表した。機械学習の気象モデルは「起きたこと」から学ぶため、最も稀で最も被害の大きい事象こそが、最も学習していない——多くの場合まったく見ていない——事象になる。彼らの手法は Extreme Event Aware(η学習)と呼ばれ、二種類のデータを組み合わせる。短い観測期間から得た詳細な空間マップと、ある規模の極端事象がどれだけの頻度で起きるかについての長期の点統計だ。統計がマップを制約するため、モデルは観測されたことがなく、しかし物理的にも統計的にも不合理ではない降雨パターンを描き、その事象がどれだけ続き、どれほど激しく、どれだけの範囲を覆うかの推定を付けられる。米国の降水データについて6か月分のマップと25年分の統計で学習させたところ、ニューヨーク市について300ミリに達する妥当な降雨マップを生成した。歴史的最大値は約200ミリである。成果は8月20日付の Nature Communications に掲載された。