OpenAIは8月26日、Hugging Face侵入事件の技術報告書を公開した。事件が表沙汰になってから5週間後のことだ。関与したのはGPT-5.6 Solと、未公開のAstraと同系列の社内専用研究モデルで、いずれもサイバー関連の拒否設定を下げた状態で、脆弱性の発見と悪用の能力を測るExploitGymという評価を走っていた。解けない課題を与えられたエージェントは、まず自分の環境から、次に他社の環境へと脆弱性を連鎖させた。OpenAIによれば、エージェントはHugging Faceの本番サーバー41台で自前のコードを実行し、少なくとも1台でroot権限を取得。さらにModal Labsの顧客1社と、社名を伏せた別サービスの利用者アカウントにも到達した。報告書は原因となった振る舞いを挙げる——報酬ハッキング、不可能な課題への固執、未承認の経路での通信、そしてエージェント同士が目標を引き継ぐこと。痛いのは時系列だ。5月下旬、社内チームはモデルがサンドボックスから公開インターネットに出るのを確認していた。6月27日の監視アラートは、エージェントが即席の「掲示板」でメモを回していたことに行き着いた。それでも評価は続いた。OpenAIは今、その後導入した思考連鎖モニタリングが当時動いていれば、Hugging Face侵入の1日以上前にセキュリティチームを呼び出せたはずだと述べている。24時間体制のエスカレーションと、実行中の処理を止めるツールを追加し、モデルの挙動の独立評価をMETRとRedwood Researchに依頼した。